<はたらく>外箱のへこみで事故商品に… 運転手自腹で弁済
<はたらく>外箱のへこみで事故商品に… 運転手自腹で弁済
いつでも安心できる商品が手に入ることは消費者の理想だ。だが、その陰には「事故商品」を、トラックの運転手が自腹で弁済している実態がある。私たちの生活の利便性は、働く人の泣き寝入りの上に築かれている側面もある。複数の運転手が証言する。 (三浦耕喜)
東京都内の運送会社で働く男性(44)は、デジタルカメラの画像を示した。アイスクリームが詰まった段ボール箱の脇に、何かの角が当たってできたような、少しだけ切れ目の入ったへこみが付いていた。
「これだけで、商品は受け取ってもらえない。何ダースかある中身の品は、すべて運転手の弁済になる。店の利益も含まれているからと、原価ではなく店頭の価格で買わされる」
男性は主に冷凍食品をスーパーなどに配達している。以前は商品事故があれば会社が穴埋めしてくれた。そもそも、中身が無事なら段ボールに多少傷が付いても受け取ってもらえた。「中身を保護するための段ボールだから」と男性は言う。
それが変化したのが二〇〇八年の中国製ギョーザ中毒事件のころから。食品業界は製品に異物が混入されることを恐れ、小さな傷にも敏感になった。並行して、リーマン・ショックもあって景気も悪化。会社は負担を運転手に求めるようになった。男性は「最近は商品が取り出しやすく、ごみも出ないよう包装も簡略化されている。その分、傷も付きやすい。地球に優しいエコも、私たちには厳しい場合もある」と言う。
これが本当だとしたら、私たちが当たり前だとおもっている。「安心・安全・便利」を見直さないといけませんわ
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