「持たない」ビジネス儲けのからくり
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「持たない」ビジネス 儲けのカラクリ (角川oneテーマ21) 中古価格 |

読んでいて「今の時代の選択としては金子さんの言う事が正しいのだろうけど、何でもかんでもレンタル・外注でいいの?」と暗い気持ちになりましたが、あとがきにかえて「持たない経営は私たちを幸せにするのか?」が金子さんが一番伝えたかった事なんだろうと思いました。
金子さんは経済関連の専門誌に経営者向けに「持たない経営」たとえば正社員を雇用するのではなく、パート・アルバイトの戦力化といった美名のもと、人件費を限りなく抑えながら、最大限の売り上げ、」利益を目指す手法について執筆していました。
ところが正社員が減り、パート・アルバイトの戦力化が進んでくると経営者向けの雑誌であるが故に読者離れも顕著となり実売部数が減少。
持たない経営を推奨すればするほど、雑誌が売れなくなり、自分の執筆機械も失うというジレンマを経験し、何が幸せなのかわからなくなったそうです。
今の日本で起きている事はまさにこの合成の誤謬だと思います。
自社で工場を持つよりも外注に出す方が短期の経営としては正しいのだろうとおもいます。
日本では研究開発、マーケティングのみ、生産ラインは海外というビジネスモデルはこれからも成立し続けられるのでしょうか?
私には現場を離れた所で新しいアイディアや発見はできないと思います。
大変に難しい問題なので簡単に答えは出ないけれど、日本だけでなく世界全体が突きつけられている問題なのだと思います。
最後に金子さんのご冥福をお祈りいたします。
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