帯に書いてある「低所得の東大合格者が増えている」というキャッチコピーは誇大広告だ!!と噴飯しましたが、
○中学受験をしないからこそ将来が切り開かれる
○深夜の塾通いがかえって学力を低下させる
というのは大変興味深い内容だと思っています。
学力低下問題の第一段階は1981年ごろから始まった子供達の睡眠時間の減少から始まるというのが陰山先生の説。
1980年ごろからテレビが一家に一台から一人一台へと急速に普及していきます。そして82年に発売されたファミコンが子供達に生活を一気に変えました。
テレビやファミコンなどの普及やコンビニの台頭などが子供達の生活を夜型に変えました。
寝る時間が遅くなれば朝食もそこそこに学校に来て、授業にも身が入らない。
そういう生活が学力低下を招いたというのです。
学力低下の不安が子供を塾に行かせ、塾への通学や宿題が子供達の就寝時間をさらに遅くする悪循環。
夕方にハンバーガーをちょっと食べて塾へ行って、さして学習に相応しいとは思えない時間帯に疲れた上体で勉強する。そうやって、睡眠時間を削ってしまう。
また帰ってきてから「うん、かわいそうね。少しテレビゲームをやってもいいわよ」というような調子で、ますます睡眠時間が削られる。もうこれは学力低下への特急券。それも片道切符。
中学生にもなると塾へ行っている生徒が大多数。昼間学校の授業を受けて部活をやって、それから塾へ行って勉強をして授業中眠くならないのかと思って子供に聞いたら「うん、眠っている子いっぱいいるよ」との答えでした。
塾に高いお金払って勉強を教えてもらっても学校の授業中居眠りしているんじゃ無駄だと思いませんか?
陰山先生の著書が注目されてテレビ局が多数取材に来ました。陰山先生は「早寝・早起き・朝ごはん」「百ます計算に代表される基礎学力の充実」の両方を取材陣に答えるのですが、テレビ局が報道するのは「百ます計算」の部分だけだと不満を漏らしています。
そりゃ「テレビは一日一時間」「テレビゲームは学力低下を招く」なんてテレビ局が放送するわけありませんよね。
テレビや新聞は広告収入でなりたっているんです。親はマスコミの言う事を鵜呑みにするのではなく自分の目で見て自分の頭で何が真実か、何が子供の本当の幸せにつながるのか考えなくてはいけないのだと思います。
昨日のブログでさんざんけなした「低所得の家庭からの東大合格者が増えている」については05年以降の調査結果次第では陰山仮説が正しいかもしれません。
特に「ドラゴン桜」の影響で東大志願者が2割り増ししたという06年以降の合格者の動向に注目です。
地方の公立の生徒が「私立信仰」の呪縛から解き放たれた時に陰山先生の言うとおり「中学受験をしないから将来が切り開かれる」というのが現実になる可能性は十分にあると思います。
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