子どもたちはなぜ、9歳で成長が止まるのか
子どもたちはなぜ、9歳で成長が止まるのか―日本の「男性社会」が子供をダメにした!?
三沢 直子
1997年神戸小学生殺人事件 2003年長崎幼児殺害事件 2004年長崎佐世保小学生殺人事件
年々少年犯罪は低年齢化し、凶悪化し頻発している。
心理カウンセラーとして、多くの患者、家族、子どもたちと向き合ってきた著者はマスコミから事件が起こるたびに取材依頼がくるたびに「そんなに急ぐ必要はらいません。またすぐに事件は怒りますから。これから事件はもっと多くなりますし、さらに深刻化します。毎回そういうふうに表層的な報道を繰り返すのではなく、その奥にある問題をじっくりと取り上げてもらえませんか?」といい続けてきた。
長崎・佐世保の事件で著者の予言ははからずも的中してしまった。
長年子供の描画心理テストを続けてきた著者は最近の子供達の心の成長が9歳で止まってしまっていると指摘する。
さまざまな理由が考えられますが総じて今の子供は、兄弟や友達など子供同士の「仲間」、その仲間と安全に遊んでいられる「空間」、塾やお稽古の時間を気にしないで時を忘れて遊んでいられる「事件」の三つの「間」が無いというのは同感です。
「ビデオ」や「テレビゲーム」漬けの毎日
「早期教育」「受験」という心理的虐待
などは今までもマスコミに取り上げられてきましたが、面白いと思ったのは90年代以降に登場してきた「おしゃれで他力本願な母親像」です。
90年代以前の母親達はジーパンにトレーナーかTシャツが定番で髪もボサボサ、化粧っけなしという人が多かった。90年代に入った頃からおしゃれな母親達が増え始めた。
バブル時代にOL時代をすごし、すべてはお金次第という価値観は健在で優雅な独身時代を過ごしてきた90年代初頭に母親になった世代は、「毎日の生活のなかで自分の手を時間をかけてゆっくりと育つのを慈しむ育児ではなく、てっとり早く『誰かにお願い』して『できる子にして欲しい』『能力のある子に』と子育ての外注化に向かっている」と分析している。
著者は最初今までの母性神話にとらわれて自己犠牲的になりすぎた母親の弊害のケースを見ていたので、母親になっても自分の生活を楽しむ余裕を残しているおしゃれな母親達が出現したのをいい傾向だと思っていた。
しかし、子供までもお人形のように飾り立てられている姿を見たり、赤ちゃんの欲求より自分の気持ちを優先させる母親達を見ていて最近の母親のあり方に疑問を感じるようになったようだ。
最近の子供達の犯罪増加は母親だけの責任ではありません。
そして犯罪を犯した子供やその家族だけの物でもないと思います。
もっと複雑に色々が原因がからみあった、社会全体で考えていかなければいけない問題だと感じました。
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こんにちは。ワンコがかわいい~ですね(笑)。
それはそうと、
おしゃれ主婦=子育て下手、
かまわない主婦=子育て上手、という二分法はいささか単純すぎではないかと思います(笑)。
かまわない主婦の方でも子育て成功しているといえない方はいくらでもおられるでしょうし。
でも、我々バブル採用組が結婚して子供を生み、それが中高生になるころには、悲惨な事件がもっと起こるようになるであろうとは、私もつねづね思っておりました。
なぜなら、私が中学生のころから、校内暴力などというものがはやり始めたからです。
私らの親の世代がすでに、子育てに失敗しておるのです。
したがって我々の世代が子供を持っても、子育てをうまくできる人は少数派だとしても不思議はないと思うのです。
あと、子育てがうまくいかない原因を両親とくに母親だけにおしつけたがる風潮もいかがなものかと思います。
それでは、いつまでたっても問題は解決しませんでしょう(笑)。
長レス失礼いたしました。
Posted by: 煉獄のすなふきん | Tuesday, December 14, 2004 02:51 PM
コメントありがとうございます。
下手くそなダイジェストなので誤解を与えたようですいません。
おしゃれ主婦=子育て下手
かまわない主婦=子育て上手
という訳ではないんです。
初めはおしゃれな母親に好感を持っていた著者が色々な事例を見ているうちに疑問を感じたそうです。
Posted by: しろうさぎ | Tuesday, December 14, 2004 08:25 PM
いえ、こちらこそ読まずにコメントつけてもうしわけございません。
つらつら思うに、この作者のいう
おしゃれ主婦のかた=いわゆる高級ブランド志向の方、ということではないのでしょうか。
それでしたら、おっしゃっていることが全部納得できるのですが(笑)。
小学生から化粧をしている女の子、気になります。
そんなことでは、援助交際や幼児拉致殺人事件などに歯止めがかかるまい、とおもってしまいますが。
まあ、これも母親だけの責任ではなく、今の日本は、小学生でも化粧をさせてしまうような風潮・文化になってしまっているということなのかなあ、と思ってしまいます。
Posted by: 煉獄のスナフキン | Friday, December 17, 2004 11:53 AM
この方の真意はわかりませんが、今の大人にとって快適で便利な現代生活が「人間」として未完成な「子供」にとっては育ちにくい環境であるというのは同意します。
「アンダーフィフティーン」とか言ってバブル時代を経験したブランド好きなママの子供をターゲットにブランド品やファッションを売るのは「未来から金を搾り取るな」と思っていました。
Posted by: しろうさぎ | Friday, December 17, 2004 05:31 PM