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英語を子どもに教えるな

英語を子どもに教えるな
市川力著
編集部コメント  国際社会を生き抜くために必要な「本物のコミュニケーション能力」とは何でしょうか。  教育学博士の著者は、のべ13年間アメリカに滞在し、1000人の「帰国生」に学習指導する過程で、発音はぺらぺらでも授業を理解する英語力を身に付けられなかったり、日本語を喪失してしまったりする悲劇を目の当たりにしました。この経験をふまえて、日本で進む早期英語教育の現場を徹底取材し、警鐘を鳴らします。また終章で「親が留意すべき10のポイント」を提案します。 2004年初頭、文科相が「英語の授業を全国の小学校で」と述べました。「話す・聞く」重視の勢いはいや増す一方。しかし会話力以前に必要な能力の育成を怠っては、本末転倒ではないでしょうか。

幼児英語に始まって、社会人に至るまで英語教育は大ブーム。何らかの英語教室のCMを目にしない日は無いほどです。
そんな時代に「英語を子どもに教えるな」とは何とも刺激的なタイトルです。
著者はアメリカに駐在する日本人ビジネスマンの子供達を対象とする「塾」の講師。13年間で約800人の子供達(入塾しないまでも見学しに来た生徒も含めると約1000人)が、異なる言語・文化環境の中でいかに生き、どんな事を考えたを見てきた。
親は子供に英語がペラペラになって欲しいと思って早期から英語教育をほどこすが、英語がペラペラになっても話の中身もペラペラ。バイリンガルになって欲しくて教育したのに、日本語も小学生レベル・英語も小学生レベルのセミリンガルになってしまう悲劇。
塾に来る子供達の苦悩と元教え子達のその後を見て、著者は現在の日本の英語教育ブームに警鐘を鳴らしています。

「早期に外国語に触れさせる意義を強調する教育者は、ある年齢を境にして異なった言語や文化に対する柔軟性を失う「臨界期」がある事、またはある年齢までは、言語能力を身につけやすい「敏感期」がある事を仮定している。
しかし、現在までのところ、第二言語の習得が不可能になる臨界期の存在を実証した研究はひとつもない。
幼児期に与えられた言語への感受性は、本来豊かな母語能力の基礎を育む為に用いるものであり、その重要性を十分認識せずに、マルチリンガルになる柔軟性がある時期などと安易にとらえるべきではない。」

早期教育を批判するばかりでなく子供時代に英語を学ぶメリットとして「英語にものおじしない態度、言葉や文化に対する興味、そして多様な人種・文化を偏見なく受け入れる気持ちを育むこと」ときちんと認識しているのも好感が持てます。またそれ以上を期待する必要はないという事も述べられています。

さまざまな学習教材が巷に溢れていますが著者が勧めるビデオ教材の選び方は「音声を消してビデオを見る」事です。音声がなくても状況設定や話している内容が理解できるビデオが子供の英語教育にふさわしい教材だそうです。
お勧め例として上げられているのが「アルクのabc」シリーズ。1巻の値段が1029円(税込み)とリーズナブルであるにもかかわらず大人の鑑賞にも十分堪える映像を絶賛しています。
全24巻を一括購入する必要がなく、一本ずつ買い足していけるので試しに一巻だけ買ってみて、親子で楽しんでみてはいかがだろうか。と述べられています。

言葉が流暢に話せる事よりも話の内容が重要だという事を説明するたとえとしてよく言われるのが、
「サッカーがとても上手だけど英語はイマイチの『中田』さんと、サッカーは平凡だけど英語の流暢な『田中』さんがいたとして外国のクラブチームは中田さんと田中さんのどちらを欲しいと思うでしょうか?」というのがあります。
テレビに出てくる外国人タレントの日本語は発音も文法も少しおかしい人が多いです。でもネイティブの日本人である私達は彼らの文法の間違いを頭の中で訂正して彼らの言いたい話の内容を理解します。
話の中身があればネイティブの外国人はキチンと話を聞いてくれるはずです。


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書籍・雑誌」カテゴリの記事

Comments

はじめまして。ジャンバラヤさん経由で来ました。でりさです。
衝撃的なタイトルの本ですね。でも非常に興味を持ちました。
私は5才の子供がおり、私自身はまさにこの本のように「小さいうちから英語を教えなくてもいい派」なんです。でも、周りのお母さん達の多くは早期英会話教育に必死です。なんでそこまで??と思う位…。やはり「親ができないから」というのが大きな理由みたいです。そんな人に私の「英語教育論(?)」を話したいと思う気持ちを押さえて日々過ごしています(気まずくなりそうなので・笑)。

また、時々遊びに来させて頂きます。よろしくお願いします。

コメントありがとうございます。
BK1のカスタマーレビューの絶賛ぶりをみれば良い本だとわかると思います。大変興味深い本ですので子供の英語教育に興味をお持ちならぜひ読む事をお勧めします。

著者は昨今の早期英語教育ブームについてこう言っています。
「早期英語教育を子供にさせている親の大部分は、英語を子供のうちにやらせるのは常識だからと疑う心を持たず、英語の使える国際人になるために本当に必要な能力は何かと考える事もしない。子供は楽しそうだし、無理もさせていないつもりだから英語も習い事の一種としてやらせておいた方がいいだろうと思ってしまう」
「本来、試行錯誤する事が当然である子育てを『外注化』によって回避しようとする親の姿勢が広がりつつある所に最大の問題点がある」

毎回、力作記事に感服!のニシオっス。
子供に英語教育をせねば…と必死になる前に
親が(英語は喋れんままでいーから)
ちょっとでいーから、広い目で色んな意見を見てから
始めるってのが大事なんじゃろーにゃ。

もーすぐ『親が子供のインターネット環境を考えてみる』
って方向で、新しい記事を出すんで
また協力をよろしくお願いしますナリ。

コメントありがとうございます。
新企画楽しみにしています。

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